[コメント] ブラッド・ダイヤモンド(2006/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
もちろん気にならない部分が全くないわけではなく、例えば音楽でラップを多用しているのだけれど、それって「黒人・暴力」というキーワードから導き出されるあまりにも安易な答えで、そもそもラップの黒人と映画の中の黒人をひと括り的な扱いをしている部分がなんか安いと言うか底が浅い感じだし。
映像的にも中盤、迷い込んだ子供達の保護施設で「黒板に字を書いている子供〜舐めの〜ディカプリオ」というシーンの時に、カメラがディカプリオに合わせて移動すると、前面に映っている、黒板に右手で字を書いていた子供の黒板に隠れていた左手がフレームに入ってきたら何と!その左手は切断されていてありませんでした、みたいなシーンはとっても意図的な演出で、何より割と初っ端モロに腕飛ばすシーン出しているんだからいらねえだろと。ここでは拉致られてどんどんやさぐれていくジャイモン・ハンスゥの子供と比較させるように笑顔の戻ってきた子供達を撮って、その中に手足を欠損させられた子供を混じらせておけば良い話ではないか。
とは言えレオナルド・ディカプリオを配して、多くの人を興味を惹きつけながら劇場に足を運んだ観客を飽きさせることなく満足させるという映画としてのハードルを乗り越えた上で、アフリカ少年兵と彼らの残虐な暴力・麻薬・溢れかえるカラシニコフの問題、そしてデ・ビアス社とダイヤの独占・生産調整の問題について興味を持たせると言う意味ではこの映画は思ったより立派な出来でした。
ジェニファー・コネリーの役についてはベタ、というかどうしてそうまでしてラブストーリー入れたがるの?と思われる向きもあると思いますが、登場人物の白人は結局カネのために動いている連中ばかりであり、ラスト前にディカプリオが「パイロットを信用するな、何かあったら脅せ」と銃を渡すシーンを入れてあったので大目にみたいと思います。
ダイヤがその美しさはともかくその価値と価格は幻想の上に成り立っているものであり、親玉であるデ・ビアス社のまっくろくろすけな内情はオレの尊敬する先生が20年以上前にとっくに作品にして以来興味を持って個人的に多少知識はあったのですが、それを女性に言ってもズバリ言って高確率で嫌われるので、これからは笑顔でこの映画を見せればいいと思います。
ちなみにその尊敬する先生ってのはさいとう・たかを先生なんですがね。
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