「シカゴは新しい血を求めている」とは劇中の台詞だが、ボブ・フォッシー亡きあと、ようやくこの舞台劇にも新しい血が流れたことには拍手を贈りたい。まさに「オール・ザット・ジャズ」。何でもありの大胆な演出も楽しい。

しかしその反面、歌や踊りを十分に楽しんだという感覚が薄いことも確かだ。ロブ・マーシャルがこの映画を作るにあたり、舞台とは違うオリジナルなものをという点にかなりの労力を費やしたことは認めざるを得ない事実だが、やはりミュージカルは歌い踊る役者たちのパフォーマンスで息をするものであってほしいと願うのは酷なことだろうか？