こんなことはもうずっと前から判ってたんだ。タランティーノは「名作もバカ映画も等しく好きな頭の良い人」で、その人がそのセンスを保ったまま作りたい映画を作るとこういうのが出来上がるんだ。タラの好きなあれやこれやに“映画的素養”みたいなものが加わった、感情移入を排した味わい深い映画だよ。

　皮肉や揶揄ではなく真剣に思うよ。こういうのが“センスがいい”って言うんだ。けど乗れないんだよ！「乗るべきはここか！」って思ったら「違ーう」、「じゃここか！」「違ーう」で、あぁもう何ていうか超悔しい！悔し羨ましい！これ『マルホランド・ドライブ』でも思ったことだ。僕にとってはタランティーノもデビット・リンチも同じだ！バカ映画村には「バカ映画が好きなインテリ」と「バカ映画が好きなバカ」がいて、バカは井戸の底で上を見ながら「空は狭いなぁ」と呟くんだ！そして井戸の外ではタラがセレブと映画論だ！もう信用できるのはロドリゲスと深作とバーホーベンだけだ！あと紀里谷和明！これはウソ！もう『スパイキッズ』観て寝る！