メタモルフォーゼ（魔法による変身）を目玉にしたように思います。

町娘には見えないオードリー。上品なはずの彼女が品のない振る舞いするギャップ。観客の期待するオードリーでないことでフラストレーションを与えておいて、 華麗な変身を遂げる場面で一気に解消される。

玉の輿願望というよりは、変身願望の方を刺激するような。シンデレラというよりも女の子にとってのスーパーマンといった感じで、そこだけがよく使われますよね。

また、本来「ピグマリオン」というギリシャ神話に題材をとって、 近代社会を風刺したショウの原作を、教授のアイデンティティである 上流階級の空虚さが、イライザがレディになるにつれて自覚されてくという、 逆に時代を遡ってギリシャ演劇的なアイロニーのドラマにしてしまいました。

もしそうだとしても、つまんない話だったなあ、 ミュージカルのシーンでホッとしちゃった。それも狙った演出？

そういえばジョージ・キューカーはカトリーヌ・ドヌーブが 「女性を最も美しく撮る監督」の一人にあげていましたね。 （あとはイングマル・ベルイマンとフランソワ・トリュフォー）

でもジュリー・アンドリュースなら原作どおりの方がまったく自然だったのにね。 ジュリーがイライザで、K・グラントが教授で、キャグニーがお父さんのが 観たかったなあ。でもリズのは結構ですけど・・

蛇足-----（レビュー全部そうだけど）-----------------------

どうもオードリーもマリリンも一生懸命さが伝わってきすぎちゃって 見ているのがしんどいので、どちらも好きな女優さんではないかな。 母は「マリリン出てくるだけで可愛いじゃん。」とか言うけどね。

あと品とかって、やっぱり大事かもしれません。 これと同じようなと言われる『プリティ・ウーマン』はあんまり酷くて見ていられなかった。映画の世界に酔えないというか・・。自分が映画を観始めた時には、もうスターの定義もすっかり変わっていたのだろうけど。古い映画が好きなのはそんな理由から？