[コメント] 万引き家族(2018/日)
是枝の今迄の作品群には、どこか嘘臭さが残っていたが、本作にはそれが殆んど無かった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本当らしく見せようとすると、どうしても無理をして、嘘っぽく見えるが、最初から嘘っぽくみせて、その後ホントに嘘でしたと種明かしをすれば、全体がより本当に見える。
是枝に騙されたというか、物語構成が秀出ていたと云うべきだろう。
主人公は安藤サクラで、物語は彼女の過去を少しずつ々明らかにしていく、というのも上手かった。
・生まなきゃ良かった、って育てられた ・過去に人を殺している ・子供の生めない体になっていた ・家族の真似事が出来た、でも「もうウチらじゃダメなんだよ」
1つ1つのシーンが、嘘であっても無くても、心に迫って来る。
しかし1番嘘臭くなかったのは、SEXシーンだ。行為は嘘臭かった(笑)が、それではない。その次のシーンだ。
「オレ、出来ただろう?」と煙草をふかす。「何カッコつけてんのよ」「いや、オレ、出来たよな・・・良かっただろう?」「汗もかいてないわよ」
いやー、歳は取りたくないものです。哀しいけど。このシーンが一番現実っぽかった(やはり(笑)しかない)。
この男は「俺、子供に教えられるモノって、他にないから」なんてアホな事を言う男だが、「俺をお父ちゃんって呼べ」としつこく言っていた事と合わせて考えたら、この男の素直さが何となく伝わって来て、嫌いじゃないかも、と思った。
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