コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] スネーク・アイズ(1998/米)

冒頭のニコラス・ケイジのアブラギッシュぶりの描写は、好きな人にはたまらない(キンピカ携帯電話とかね)。ラストのデ・パルマ的ツイストも、お家芸的にハマっている。彼が豊富な予算で撮った映画を見ることができたのは、素直にうれしい。
かける

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







結果、ブライアン・デ・パルマニコラス・ケイジが好きなら、たっぷり楽しめる映画だと思う。カメラワークはいつもの味だし、撃たれる人物の描写にも独特のセンス(美学?)がたっぷりだ(クロサワ的血しぶきの大仰さが、スプラッターにしか思えなくなる)。しかし、クライマックスまで繰り広げられる「事実」の錯綜が、『羅生門』をイタダイた『戦火の勇気』のレベルにも達していないのは、まあしかたないのかも。

ゲイリー・シニーズが、悪役顔で説教臭い善人をやってるのか、と思いきや予定調和的にイヤな奴になるのはお約束。しかし彼が、湾岸戦争での「被害者」ぶるのは、いかにもアメリカ帝国の独善主義。その独善を否定しているのではなく「彼もかわいそうな人なんです」といった言い訳をしているような気がするのは考え過ぎか。

あと、坂本龍一は、いらなかった。映画のトーンに全く合っていない。もしかしたらジャパンマネーを引っ張るための、わかりやすいお神輿だった?(ニワトリなのか卵なのかはもうわからないけれど) 最後にモニタールームでニコラス・ケイジゲイリー・シニーズが対峙したときのバックの画面に、カシオとキャノンのネオン看板が大写しになったのは、ジャパンマネーの存在をダメ押ししされているような感じがして興醒め。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (7 人)けにろん[*] m ジャイアント白田[*] ねこすけ[*] トシ ぱーこ かっきー[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。