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[コメント] 太陽がいっぱい(1960/仏=伊)

卑しき魅力、アラン・ドロン
mimiうさぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







リプリー』を見てからだったので、トムのイメージの違いに戸惑った。ストーリーとしては、原作により近い『リプリー』の方が好きだから、この二つの映画は別物として考えた方がいいと思う。私も類に違わずアラン・ドロンの魅力の虜になってしまった。なんて素敵なんだ!みんなが、「美男子」の代名詞に挙げるだけある。

フィリップの死体を捨てる時などの長廻しシーンは見ごたえあり!シーンをやたら繋ぎ合わせる最近の映画ではなかなかみられない。

一番いいと思ったのは、フレディを捨てに行く階段のシーン。主人公の息遣い(本当に重い役者さんを引きずっていくので、息が上がっている様子が克明!)など、とてもリアリティがあって、『リプリー』とは比べ物にならないくらい、殺しへの緊迫感がある。

それにしても、この主人公。よく食べるんだよね。 最初フィリップを殺した後に果物を口にした。「よく人を殺した後に、食べれるよなぁ」と思ったけれど、これはルネ・クレマン監督の「狙いだ」とあるHPで知った。それがトムの卑しさの象徴であり、たくましさでもあるんだ。って。そう考えると、この映画が秀作でありつづける訳も納得できる。

どうでもいい事だが、うちの母は父の事を「アラン・ドロンに似ていた」と言っている。ごちそうさま。そのアラン・ドロンも今じゃハゲおやじ。…。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)浅草12階の幽霊[*] ジェリー[*] sawa:38[*]

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