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[コメント] スパイ・ゲーム(2001/英=米)

そのガム高く付いたね。
mimiうさぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







上手く行きかけていた作戦だったが、情けでくれてやったガムのせいでトムらは捕まってしまった。

ガム…ミューアがスパイに必要なものとして、トムに教えたものだった。この皮肉な布石が心憎い。「高く付いた」とは、ボコボコにされたトムへの言葉でなくミューアに向けたもの。だって、自分が「ガムさ」なんて気取って言わなければ、トムはこの作戦成功していたはずで、こつこつためた約280,000ドルをつぎ込まなくて良かった訳だもの。

などと、意地悪い事を書いたけれど、私が期待するスパイもののの見せ場は充分にあった。煙草をオフィスに忘れるシーンなど、頭脳を使った場面はゾクゾクしてしまう。(どうやってそれを戻したのかがなくて、残念だったけど…)

台詞も面白かった。よく場面の説明を出演者にやらせるが、時に(『渡る世間は鬼ばかり』のように…)「普段そんな事は言わないだろう」という台詞がある。この映画は、極力それを省いているように思われた。

一番それを感じたのは、爆破テロのシーンだ。あのシーンで、ブラッド・ピットは一言も話さない。「駄目だ!そっちに行ったら!戻れ、戻るんだ!」などと口走らない。じっと医者の行く末を見守っていた。けれど、観ている方には医者の命が危ない事が予想でき、余計にドキドキしてしまう。

こういった映画では台詞より役者の動きがモノを言うのではないだろうか。台詞を大事にする監督としてのロバート・レッドフォードの作品とは大きく違った作品だ。

< 余談 > DVDの特典映像で、トニー・スコット監督の談話があった。「ロバート・レッドフォードは、とても協力的だったよ。ヘリを飛ばすシーンの前には、「何故飛ばすのか」といった質問をするんだ。納得が行くまで話し合ったんだ。シーンの前には必ず何故と聞く、納得が行くまで話し合うのだが、映画には協力的だったよ。」

扱い難かったんでしょ、本当は。

続き「ブラッド・ピットは、その場のアクシデントを好むんだ。脚本を読むんだが、その通りでなくその場の雰囲気で演技をする。それはとても時間のかかる事なんだが、(中略)いい役者だよ」

台詞覚えてこいって言えよ。

< 余談2 > 先日、整形のテレビ番組を見た。しわを悩みに思っている淑女が、整形し、性格まで明るくなったと言う話を思い出した。ロバート・レッドフォード、そのしわ取れるそうだよ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)プロキオン14[*] 死ぬまでシネマ[*] ゆーこ and One thing[*] BRAVO30000W![*] トシ[*] シーチキン[*]

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