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[コメント] カバーガール(1944/米)

コロンビアで製作されたミュージカルだが、MGMミュージカルと見紛う豪華さ。太平洋戦争中に作られた映画だとは到底思えない。前半はカバーガール応募者の面接官を演じるイヴ・アーデンが主役かと思う程シーンをかっさらう存在感。
ゑぎ

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 イヴ・アーデンがすーっと目立たなくなってから、つまりリタ・ヘイワースの身の振りように焦点が当たってからはヘイワースの魅力が爆発する。ヘイワースがこれだけ踊れるということにも感動するが、祖母との二役を経営者オットー・クルーガーの感情を絡ませ描き込んでいく語り口に惹きつけられるし、揺れ動く気持ちを表現するヘイワースに胸を締め付けられる。

 ミュージカルシーンでは、ジーン・ケリーがショーウィンドウに映った自分とダンスする「ALTER-EGO DANCE」が最も有名だと思うが、影の扱い−実体にしか影がない−等細部にわたって見事に画面設計されている。ケリーのダンスも流石に素晴らしい。主題歌で、スタンダンード・ナンバーとして多くのジャズ歌手にカバーされている「Long Ago and Far Away」が唄われるシーンもしっとりとした演出が良い。ただし、ウィートン劇場でのプロダクション・ナンバーは今イチか。沢山のカバー・ガールをカメラのレンズ内に登場させたる部分は楽しいが、その後、大きな螺旋状のスロープにヘイワースが現れ男性ダンサー達と絡む演出は冴えない。ここだけはイメージの豊かさの点でも豪華さの点でもMGMミュージカルと比べ見劣りのする部分。あと『雨に唄えば』のドナルド・オコーナーの役どころを彷彿とさせる天才・フィル・シルヴァースのコメディ演技は少々鬱陶しい。

(評価:★4)

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