※※アニメシリーズのネタバレも注意※※

たとえばシンジとレイの中学生日記的なシンプルかつベタな恋模様とか、「あんたあのバカのことどう思ってんのよ？」的なアスカのふつーのラブコメありがちなセリフとか、ひいてはラストの「もう碇君がエヴァに乗らなくてもいいようにする。」に続いての「世界がどうなったっていい！だけどせめて綾波だけは！」そしてサルベージそして抱擁とか。 10年前の自分なら、よだれと涙をたらして喜んだシーンだったでしょう。このクセのありすぎるひねくれた監督の気まぐれで、絶対そんなベタなシーン作ってくれないことがわかっていながら、それでも夢をみてしまったシーンなんです。でもいまさらなんです。いまさらなんですよ。もうそんなの、妄想とある程度の同人誌でクサルほど観ちゃったし、もう正直色あせちゃってるんですよ。いや、色あせたというか、「自分らが考えたバージョンのが面白いし！」みたいな意味の分かんない感情さえある始末だし、そっとしておいてほしかった領域なんですよ。本家本元が全国公開で大々的に焼き直さないでほしいんですよ、その領域を。正直ね、本編でもレイがパン口に詰め込んで林原めぐみ声全開で「いったたた・・きゃ！（パンツ隠す）」みたいなシーンだけでも充分この１０年もったんだな、っていまさら痛感するわけですよ。（だんだん言うことが男子になってるぞ）いや、ようするに、あのクセのあるストーリー展開の中に、そういう普通のラブコメなシーンが少しでもあったらすっっごく嬉しくて貴重に感じてたのがエヴァだったんです。それがエヴァだったんですよ。 だのに監督ったら何をいまさら、加持リョウジの視線にはっとなって顔を赤らめる葛城ミサトとかの表情をこれみよがしに出しちゃうのか。どうした庵野秀明よ。１０年前はそんな女性の表情なんてみたことなかったってのか。いまは嫁安野モヨコがそんなに可愛いのか。気づいちゃったのか、女性ってもんに。真希波マリなんて思いっきりモデル嫁だろ！しゃべり方そっくりだよ！ やたら人気のする第三新東京市なんて第三新東京市じゃないってんだよ！いらねーよ人々の日常の風景なんか！通勤通学風景なんか！！もう！「１０年たって、人のありがたみを知ったんだボク」要素挟みすぎだよ！！！

まったく。

そして可愛そうすぎるのはアスカ。当時はそこまで好きなキャラクターじゃなかったけど、今回の扱いがあまりに不憫すぎて泣きそうですよ。マリが以前のアスカと同じことするならマリなんかわざわざいらないじゃんか！！せっかくアスカらしさが出てくるかと思ったところでいきなり溶けてグシャーってそのまま精神汚染で病院送りってそりゃないよ！！！服もぜんぜんかわいくないし！！アスカの登場シーンは変えなくていいの！！！（せめて加持さんが好きだったってところは変えてくれるな！！）

・・とか色々文句言ったものの、実はレイの特攻シーンでは泣いちゃったし、ローソンではエヴァティッシュ買っちゃったし、ロッテリアではタンブラー買っちゃったし（レイの絵がエロ過ぎてげんなりするけど）、なんだかんだ好きだし気になるんですよ。どうせ。どうせ次も観るんだよ。（09/7/6 劇場）