もう存在自体が奇跡のように思えて仕方がない。

自分の気持ちを代弁してくれてるのも大きいし、 東京をあんなに刹那的に撮れるっていうのもすごい。

わたしの東京に対する感情は外人さんレベルだとわかった。 行く度に「ロスト」しないように必死だし。

その大きな街の中で偶然出会った同じ感情の持ち主。

大きくて、しらけていて、あったかくて、絶望的に切ない人。

この人と到底未来があるとは思えないとわかっていながら、 何かポジティブなものを求めるわたし。

空回りし続けながら送る日常。

東京にいるだけで現実的になるというのに、 この映画はまだ東京で何かを探し出そうとしている。

にせものの人間関係のなかに本物を見つけ出そうとしている。

手に入った途端壊れてしまうとわかっていながら、探すのを止めない。

そんなものの存在に気づかずに暮らした方が幸せなのかもしれないのに。