★4 | バンクーバーの朝日(2014/日) | 鬱積を晴らす術もない抑圧の移民族史の束の間の晴れ間を描くにこの低体温が相応しい。ましてやバント戦術というショボい勝ち方ではゲームが盛り上がろう筈もないが、それでも必死だった彼等の思いは胸を打つ。怜悧で真摯な石井イズムは全篇を掌握してる。 | [投票(1)] |
★4 | COME&GO カム・アンド・ゴー(2020/日=マレーシア) | 台湾のAVブロガーと中国の団体旅行から逸れた親父が大阪の居酒屋で酒酌み交わすとき国家間の相剋なぞ考えもしないのが普遍。メディアが声高に叫ぶ一面性への戒め。四国から来たネカフェ流民がマレーシア会社員に救われるHEP観覧車の揺籠の優しき夢幻。 | [投票(2)] |
★5 | ぼくたちの家族(2013/日) | 絶望的にアウトな状況となった長男が自問し打破するドラマを石井は与えずに弟のセカンドオピニオン巡りの作劇にかわすのだが、絶妙だ。それだから2人のパブシーンの兄のキャバ嬢へのメール話が効く。そこには地獄を見た者だけが吐露できる真実味がある。 | [投票(1)] |
★5 | 愛にイナズマ(2023/日) | 理屈つかないことが現実にはあるというモチーフがきれいに回収できたとも思えぬが回収する必要もないというのもこの世の中の現実だし物語は流れに任されて転げていく。それが圧巻。きれいごとの屁理屈は隠された誠意や真実や正義や愛の稲妻にぶっ飛ばされろ。 | [投票(2)] |
★4 | 湯を沸かすほどの熱い愛(2016/日) | 報われぬ人生に気付かぬのでなくそういう価値観を持たないのだ。辛苦を乗り越えてきても自己憐憫は皆無。彼女はただ他者を抱きしめる。愛よりもう少し崇高な感じ。ただ、葬儀でああするなら彼女の仕事に対しての思いを丁寧に描かぬと成り立たない。強引だ。 | [投票(4)] |