★3 | 菊とギロチン(2018/日) | 底辺での共振を描くにもギロチン社の面々のバカさが邪魔し熱くもなれない。在郷軍人会の毒を喰らわばの悲哀と在日の圧殺史の悲愴がフィーチャーされるに及び映画は止め処なく拡散。主人公花菊はそういう混沌を突き抜ける生・性のダイナミズムにも欠けるのだ。 | [投票(2)] |
★3 | ちょっと思い出しただけ(2021/日) | ちょっと思い出しただけの記憶の断片が時に胸掻きむしったりするけどあくまでそれはちょっと思い出しただけで瞬く間に日々の営為の中に埋没してしまう。そういうアンチドラマな何かを捉える方法論としての倒叙体ならやはり進行形の今と錯綜させる術が欲しい。 | [投票(2)] |
★3 | 殺る女(2018/日=米) | 取り巻く世界の描写は悪くないのに肝心の主人公がジャンルの形骸としか言えない体たらくで無残としか言えない。もっと深い荒びとキレのある体技が欲しい。だが、並置された武田梨奈のルサンチマンは世界を生身で侵食するような場末感が70年代的である。 | [投票] |
★4 | 恋人たち(2015/日) | 男2人の挿話は真摯なのだが最重要と思われる再生への契機や起点が描かれないので判ったような判らないような釈然としなさだ。橋梁検査という職も若干狙った感がある。一方で主婦の原エネルギーは作為をふっ飛ばしただ存在し得ている。今村映画のように。 | [投票(4)] |
★4 | 彼女の人生は間違いじゃない(2017/日) | 止め処ない空虚や埋めきれぬ寂寥や為す術ない孤独に纏めて晒された時に病気にもなれぬならぶち壊すしかない。閉塞された日常を行方を喪失した自分自身を分った風な世間の常識を。全篇死んだ目をした彼女が終盤の回想で感情を吐露して嗚咽する。シュアな構成。 | [投票(2)] |