★4 | ドッペルゲンガー(2003/日) | ダークサイドの二重身と言うより抑圧から解放された者こそが生き延びると言うならばテーマとしては安直で、『回路』と同様に稚拙さを感じる。が、油断のならない男達が醸す緊張感にコメディエッセンスが絶妙に調和して黒沢の新生面を感じさせたのも事実。 | [投票(2)] |
★4 | 銃(2018/日) | 銃を手にした爾後の変容を描くのでなく兼ねてよりの不安定な世界の均衡が延伸する様を描き続ける。彼には大学もSEXも親の死も等質に大した意味がない。そういう世界を内省的に深耕することなく描いたモノクロームは或る意味新しい。不穏な後藤淳平も。 | [投票(1)] |
★2 | 嘘八百 京町ロワイヤル(2020/日) | もともとに気の利いた騙し芸があるわけじゃないのに、冴えないテキトー男たちの馴れ合いの狭間から時折垣間見える本物といった味わいさえも喪失してスカスカ。塚地やほうか等前作で本筋に絡む余韻を見せた脇役も顔見せ程度。完全な乗っかり仕事だ。 | [投票] |
★4 | RETURN(ハードバージョン)(2013/日) | 半端な原発への言及や極右的コングロマリットの胡散臭さなど相変わらずの原田の信用できなさではあるが、一方アンナ筆頭の極悪3姉妹の千葉=大友イズム継承や椎名のカポエラの粗の見えなさ。歪な魅力には事欠かないがラストはアホかいな。 | [投票] |
★4 | 嘘八百 なにわ夢の陣(2023/日) | 贋作コンゲームや歴史ミステリー要素は大したもんもないのだが、ボケ蔵之介ツッコミ貴一の掛け合いが3作目に至り練達の域の低位安定感を醸して麻薬のように作用する。しょーもなー思ても何か見てまう吉本新喜劇みたいなもんか。泣きもベタでいい。 | [投票] |
★4 | 死刑にいたる病(2022/日) | 『羊たちの沈黙』底浅バージョンめいてるが揺るがない徹底悪な本質が露呈する様は骨太だと言える。居場所のない男が存在証明を希求する展開も筋が通り腑に落ちる。演出白石と演者阿部の再タッグは実力者同士のがっぷり四つの趣きがあり力相撲を堪能。 | [投票] |
★4 | 殿、利息でござる!(2016/日) | 根からの悪が存在しない世界だが、それでも人は放逐され死にいく。そういう非情を十分に肝に溜めつつ尚、善意や心意気とかの前向きファクターを謳歌しようとの決意が表明されてる。全員がハイトーンで台詞を朗じる。その共同体のシンパシーは喜びに充ちてる。 | [投票(1)] |
★3 | 瞬 またたき(2010/日) | 喪失された記憶をめぐるサスペンスな味付けは、中途から大塚寧々を必要以上にピックアップすることで拡散し強靱なベクトルは消失された。半端と言うしかない脚本だが磯村演出は端正で抑制されている。尚景子ちゃんが良いことは言うまでもない。 | [投票] |
★4 | 嘘八百(2017/日) | 利休の遺作という大風呂敷の歴史ロマンティシズムが意外に下味として効き、コンゲームの見てくれショボさを補完する。何より、おっさん2人がチマチマ炬燵で茶を啜る世界を熟達の貴一&蔵之介は満喫している。その充足感こそが命だし世界に適合する。 | [投票(2)] |