★3 | 娘の実家探し、盗まれた金の取り返し、兄と妹との再会という序盤のモチーフが中盤で解決されるドラマツルギーは意表をつく。後半、10年という時間の長さを表わす必要のあった演出が総じて弱く、主人公に漂うべきリリシズムがやや不足。それでも中村錦之助は輝かしい。 (ジェリー) | [投票] |
★4 | 冒頭の胡麻の灰−大坂志郎や女郎屋での岩崎加根子への寄りの演出といった部分でも映画性がほとばしる。しかし、本作は花−槿(ムクゲ)の花−を扱った映画として映画史に輝き続けるだろう。白い花は「聖性」、なんてことを云っても良いが、少なくも中村錦之助と十朱幸代を隔てる「切なさ」はこの花によって倍加している。 (ゑぎ) | [投票(2)] |
★4 | 渋い終わり方だねえ。全編を通じて輝く中村錦之助の締めくくり方として、最高のラストだと思う。 (シーチキン) | [投票(1)] |
★3 | “足ながおじさん”である錦ちゃん、正体を明かさない割にヒント与えすぎ! 背後から平気で斬りつける弟分木村功の性分が、物語の流れに上手く合っている。 少し盛り上がりに欠けるが、ラストシーンは絶品。 (AONI) | [投票(2)] |
★3 | 出来は可も無く、不可も無くと言ったところ。錦之介は十八番の役どころだけに、ハマリ役。木村功のどうしようもない男もいつもながら上手い。ヒロインの十朱幸代は若い時より、後年の方が色気があって綺麗。['04.3.27京都文化博物館] (直人) | [投票(1)] |
★4 | 若気と人の良さ満開の中村錦之助の弥太っぺが実に楽しく、木村功のひね者ぶりもはまり役。月形龍之介を交えた酒席も粋だ。花の垣根越しの切ない逢瀬に後の山下耕作の様式美へのこだわりが見える。惜しむらくば十朱幸代の可憐さが今ひとつ。 (ぽんしゅう) | [投票(2)] |