★3 | 「一」と「二」をめぐる三次元映画(第三章は訪れない)。通常の二重露光における時差を視差に捉え替えたカットは、左右の眼それぞれの視覚は両眼視の単純な二分の一ではないことを明晰に示す。「男女の別離」が物語に選ばれるのは、一組を成す二人が一人と一人に分裂する緊張の基礎的資料だからである。 [review] (3819695) | [投票(1)] |
★4 | 言葉を、ノイズとの臨界へと追い込むゴダール。映画という人工的な装置によって逆説的に実現される、空間への原初的な驚きを、3Dという、更なる人為性を駆使して未踏の地へと推し進める。 [review] (煽尼采) | [投票(3)] |
★3 | 映画における現実感や迫真性は、嘘を上塗りする技術力に正比例し、リアルの捏造手段の優劣が商業的成功を左右する。人の実人生で最大の捏造手段は「言葉」だ。だから、この男と女らの存在は空疎で像を結ばず、捏造の埒外にある犬はナチュラルであり続けられる。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★4 | 3Dを得てビデオ期の作風に立ち戻ったかのようで、攻撃的だが極度にシンプルで抽象的。これは遺作のパロディか。二人一役はブニュエル遺作へのオマージュだろうか。いつもの男女の喧嘩はパルムドッグにより終焉を迎えるのだろうか。 (寒山拾得) | [投票] |