★5 | 眼前する現在だけをフィルムに収め、過去の一切合財が登場人物たちの語りと表情の向こう側にしまいこまれている。イメージに「しない」ことで、過去が眼前する現在に圧倒的な重みとともにのしかかっていることが分かる。過去は今にしかないというパラドックスの鮮烈な映像化だ。 (ジェリー) | [投票(1)] |
★5 | 描かれているのは50余年間、そこに在り続けた巨大な建物と、そこで繰り広げられた労働と生活だ。時は社会の潮流に呼応し、集団から個人へという変転を人々に促し、生活者は過去としての「場」と決別しつつ、過ぎ去った「人生」を慈しみ述懐する。まさに歴史である。 [review] (ぽんしゅう) | [投票] |
★4 | 中国共産主義体制への挽歌と、それに伴う様々な人々の生活の激変。今、中国は確実に、緩やかに変貌を遂げようとしている。それを明らかにする一編の静かなる叙情詩である。 [review] (水那岐) | [投票(1)] |
★4 | 宿命として映画は「現在」しか撮ることができない。その中で「過去・歴史」、そして「未来への展望」を描くという矛盾にあたってどうするか。ジャ・ジャンクーは本作で新しい方法を示したと思う。それは多分にペドロ・コスタやオリヴェイラとも共鳴している。しかし、この方法論はまだ極められる余地を残している。 (赤い戦車) | [投票] |
★4 | 怪物的傑作。自重を促したくなるほどに図抜けた画の強さ・面白さ。しかし(ほとんど云いがかりだが)、どうすれば傑作を撮れるか知り尽した手つきに物足りなさも感じる。ジャ・ジャンクーはもう傑作しか撮れない作家になってしまったのだろう。そこに一抹の寂しさを覚える。傑作ばかりが「映画」ではないのだから。 [review] (3819695) | [投票] |
★4 | 町の消滅。すなわち滅びとは何か。人間は町で何をしてきたか。人間の営みとは一体全体何なんだろうか、、。真剣に考えているジャ・ジャンクーの新作だ。
[review] (セント) | [投票] |