★4 | 巨人と玩具(1958/日) | 悪趣味な虫歯メイクで媚態を振り撒く野添ひとみよりも、冷酷・残忍さを己に課したダンディ、狂気に魅入られて転落の坂への道を選択する高松英郎のクールさが目を奪う。高度成長社会の醜悪なディフォルマシオン。ライターは焦燥を駆り立てる打楽器。 | [投票(2)] |
★5 | 鍵がない(2005/日) | お伽噺としての、ひとりの女の子・つぐみが恋に決着をつける物語。彼女をめぐる夜の街はあくまでも優しく、ファンタジックに味付けされている。つぐみも年をとらない娘だなぁ、なんて考えるのは野暮。そっと心にとっておきたい小品である。 | [投票(1)] |
★3 | ミリキタニの猫(2006/米) | 糾弾は始終穏やかに行なわれる。生を受けた国による、思いもかけぬ罪なくしての虜囚扱い。だが、老画家は故郷と敵国の間で揺り動かされ、今日も憎悪する国に生きている。 [review] | [投票(1)] |
★2 | 電送人間(1960/日) | 潔いといえばいさぎよい。だが、本質的マイナーな事件にはケリがつくにせよ、周りを彩る人間群像は一体どうしたというのだろう。戦争を引きずる日本の文化模様には不真面目にもニヤついてしまったが…。 [review] | [投票] |
★4 | 棚の隅(2006/日) | 母親はトマトを食べない。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 劇場版 AIR(2005/日) | ギャルゲーには縁がないのだが、出崎統監督作品として観る。なまじの少女漫画よりベタベタな脚本に閉口させられるが、出崎演出は充分生きている。画面の光と影のコントラストは見事。 | [投票] |
★2 | 女は二度生まれる(1961/日) | 池野成の不安感を誘う劇伴に引きずられて、若尾がありとある男の間を川魚よろしく泳ぎまくる。未だ残る戦争の臭いをものともせず…。しかし妙にダレた演出のキレの悪さは、川島雄三らしくもない。 [review] | [投票(1)] |
★4 | デス・プルーフ in グラインドハウス(2007/米) | 21世紀仕様のサイコ・カーチェイス・アクション。タラちゃん監督には、殺人鬼からヒーヒー言って逃げるか弱い女など必要とされていない。肌も露わに自分の肉体の見事さを誇示しつつ行動するヒロインたちは、スタイリッシュで限りなくパワフルだ。 [review] | [投票(5)] |
★2 | 緯度0大作戦(1969/日=米) | 哀しき黒木ひかる。 [review] | [投票(2)] |
★3 | トップをねらえ2!劇場版(2006/日) | 正直、正編を超えたカタチで、しかも正編を否定しない世界を創り上げるという商業的な枷からは、こうした作品が生み出されるのは必然かもしれない。しかし、正編とつなげないで鑑賞することのできない一介の凡俗は思ってしまうのだ…馬鹿話を真面目に受け取っちゃいくらなんでもまずかろう、と。 [review] | [投票(2)] |
★5 | トップをねらえ!劇場版(2006/日) | パロディにも五分の魂。ダイジェストも小粒でぴりりと辛い。やはり今観ても炸裂するパワーは物凄い。ガイナックス揺籃期の意地は半端じゃなかった。 [review] | [投票(3)] |
★2 | 高校生心中 純愛(1971/日) | 普通でない高校生同士ですら、お互いに心中を誓い合うためには、性格破綻者に囲まれたこれほどまでの不幸のドラマに身を晒しあわねばならないのか。事に及ぶ前に雪合戦に戯れるシーンは、『泥だらけの純情』の亜流であることの暴露と映った。 | [投票(1)] |
★3 | 盲獣(1969/日) | 触覚のみに悦びを見い出す唯美主義は、所詮視覚芸術としての映画とは相容れない。この時が旬であった緑魔子がラストまで美しかったことは、この作品の「盲目のリアリズム」への明らかな敗北を意味していた。 [review] | [投票(3)] |
★2 | 学校の階段(2007/日) | 突如として伴奏付きで歌い踊り始める黒川芽以にあっけにとられてしまった。そしてラップに乗って自己紹介し始める階段部員で、どういうノリの映画なのか大体見当がついた。しかし…。 [review] | [投票] |
★2 | 樹氷悲歌〈エレジー〉(1971/日) | 誰一人悪人はいないのに起こってしまう悲劇のナイアガラ現象。こういうのが一番タチが悪い。そんな話に、関根は脱ぎっぷりがいいからとポロリ・サービスまでつける。こうなると製作者は鬼畜か、と言いたくなってしまう。 [review] | [投票(1)] |
★4 | しとやかな獣(1962/日) | しとやかな客寄せパンダ女、若尾の正体は妖艶な雌ダヌキであった。しかして、彼女をめぐる大修羅場はムジナとキツネの合同住宅。都会の空気は、いささか彼らには悪すぎたようで…。伊藤雄之助、山岡久乃のムジナ夫妻の飄々たる日常演技が絶品。彼らの住まうただ一室のアパートが百鬼夜行の巷と化す。 [review] | [投票(3)] |
★3 | 最高殊勲夫人(1959/日) | 増村演出と白坂脚本の危険な賭け。女中やBG、一介のサラリーマンまでがタイトに支配されたマシンガン・コメディ。メインのハイペースについてゆくのがやっとの端役が、危ういところで砂上の楼閣を支えている。この冒険、吉と出たか凶と出たか。 | [投票] |
★4 | 魂萌え!(2006/日) | 59歳お人好し未亡人の地味にして華麗な冒険。嘘で塗り固められた彼女をめぐる老若男女の間をかいくぐりつつ、風吹ジュンは大胆さと無邪気さであらゆる危機を潜り抜けてゆく。ダメ男たちに比して、なんと熟年女たちの逞しく魅力的なことだろう。三田佳子との鬼気迫る対決にも息を呑む。 [review] | [投票(1)] |
★4 | 遠くの空に消えた(2007/日) | リアリティよりは寓意を重視した物語である。そのせいかドラマ的な盛り上がりは今ひとつであり、散漫とも映るが、行定勲監督の本格的な軌道修正作としては、大いに評価したい一作であった。 [review] | [投票(2)] |
★3 | 日本脱出(1964/日) | 38度線に夢は埋まっていない。アメリカはとっくに自由の国であることをやめている。それじゃ、オリンピックで日本は変わったか?転がり続ける石…無軌道な若者は大抵の場合おバカなのだ。 [review] | [投票] |