★3 | ヒア アフター(2010/米) | 欧州キャストが失敗している。『ミュンヘン』のスピルバーグや『イングロリアス・バスターズ』のタランティーノほどのヨーロッパへの執着がイーストウッドにはないにしても。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 真昼の死闘(1970/米) | 現在の目から見るとキャラクターが説明過多とも感じるが、それでもマクレーンの多面性はおもしろい。豹変は想定内ながら、襲撃作戦直前の本気度でイーストウッドのリビドーが刺激される関係性のエスカレーションがいい。 | [投票(1)] |
★3 | ファイナル・デッドサーキット 3D(2009/米) | さすがに尺持ちさせることはできず82分という短さだが、随所にウケる部分が満載で楽しめる。ティーン向けのキャスティングだが、今回は殊に女性観客への目配せがあるのも面白い。 [review] | [投票(1)] |
★3 | さんかく(2010/日) | 現実に起きたエピソードを拾って映画の中にちりばめた、と監督は言うが、だからといってリアリズムが生まれるわけではない。瑞々しい会話、艶かしい少女、美しいラストカットも、脚本の致命的な欠陥がすべて帳消しにしてしまう。 [review] | [投票(1)] |
★3 | パリより愛をこめて(2010/仏) | トラヴォルタはハリウッド映画の擬人化だが、受ける側のマイヤーズもまたアメリカ人という設定だ(実際はアイリッシュだが)。会話も英語だし、むしろフランス的なるものは意図的に排除されているように見える。 [review] | [投票(1)] |
★3 | その土曜日、7時58分(2007/米=英) | 悲しい顔をした男たちの映画。出来事の必然性が理屈にかなっているので、人物の行動と感情に集中して見ることができる。オーソン・ウェルズの貫禄に少しだけ近づいたホフマンがいい。だが恥の上塗りのようなエンディングはやり過ぎ。 | [投票(1)] |
★3 | ダージリン急行(2007/米) | オーエン・ウィルソンがいい。脚本や演出、撮影といったプロダクションの質も高い。だがこの映画がその出発点から到達点に至るまで、コメディであることを(無意識的にか)志向しているが故に、それが枷として見えてしまう。突き放した写実的なおかしみに達していないといおうか。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 天使のくれた時間(2000/米) | フランク・キャプラ風味の、野暮が持ち味なホームドラマ。入れ子の内部であるニコラス・ケイジのロウワーミドル家庭人だけで成立するように作られているのがいい。日常生活を再発見するきらめきの瞬間も数箇所ある。終盤は冗長。 | [投票(1)] |
★3 | NEXT -ネクスト-(2007/米) | 脳内イメージですよという映像エフェクトを効かせていないから、観客はそれが「現在」なのか「2分後」なのか瞬時に判別することはできない。この叙述スタイルを奇作として受け取ればまずまず楽しめる。 [review] | [投票(1)] |
★3 | ワルキューレ(2008/米=独) | 導入部は史劇に取り組む気概も感じられたが、作戦決行前の優雅な倦怠が退屈。終盤になってようやく綱渡りのサスペンスが味わえる。眼帯、義眼といったアイテムはもっとヒロイックに扱ってもいいと思う。 [review] | [投票(1)] |
★3 | ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008/米) | 事象を描くことにはそれなりに長けていると思うが、フィンチャーにヒューマンドラマは無理。育ての母タラジ・P・ヘンソン、タグボートの船長ジャレッド・ハリス、そして極めつけティルダ・スウィントンという役者たちの芝居が生殺しだ。 [review] | [投票(1)] |
★3 | インベージョン(2007/米) | 序盤のオフィスで患者と対面するニコール・キッドマンの、小首を傾げる定番ポーズからして、銀幕のファム・ファタールとしての彼女の特質をよくフィーチャーしていると思う。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 真実の行方(1996/米) | エドワード・ノートン絡みの脚色・演出の稚拙さを見るにつけ、彼はいったい何に対して奉仕しているのか、誰が得をするのだろうかなどといろいろ考えさせられてしまう。 [review] | [投票(1)] |
★3 | ミスト(2007/米) | スピルバーグ『宇宙戦争』が描いていたガラス一枚で隔てられた脆弱な平穏、その陰画のごとくダラボンは冒頭から盛大に窓ガラスを打ち破って見せる。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 気のいい女たち(1960/仏=伊) | モノクロのフィルムを見ていると、時に既視感めいた思いが湧き上がることがある。この映画のパリジェンヌたちと、鈴木英夫や市川崑の映画の、我がニッポンの若い女性たちの日常の暮らしぶりの類似性に、郷愁と愛着の感情を覚えずにはいられないのだ。職場における雑談や、動物園、演芸場、レストランといった余暇の過ごし方がこれほど身近に感じられるのは驚きだ。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 守護神(2006/米) | WOWOWで見たからということもあるが、暑苦しくなく、意外に楽しめた。『ダンス・ウィズ・ウルブス』のごとく、孤独な生き様と神秘主義の組み合わせが成功すると、コスナーはその本領を発揮する。師弟関係とトラウマはその見せ方がうまいし、カヤッカー救助のロケ撮影も迫力があった。世代交代の結末もさほど悪くない。 | [投票(1)] |
★3 | それでもボクはやってない(2007/日) | 作り手の明確な目的意識が結実した作品として、その存在価値は大きい。広く世に問う告発目的というより、観客一人一人に感じて考えて欲しい、という監督の方向性が一貫して貫かれている。 [review] | [投票(1)] |
★3 | プラダを着た悪魔(2006/米) | メリル・ストリープがロートーン・ウィスパリングヴォイスのコメディエンヌを演じていて圧巻。目で見るだけではなく、耳で聞くと楽しさが倍加する。ストーリーの主眼は仕事に対し誠実に取り組むことであり、ラストでヒロインがどう決断しても映画として破綻しないつくりになっているのがいい。 | [投票(1)] |
★3 | 映画に愛をこめて アメリカの夜(1973/仏=伊) | 撮影所の映画。劇中劇が実際の現場に展開されたような恋愛模様や相次ぐ予想外のトラブルがおもしろく描かれている。集って創りまた離れていく人間たちの不在感は、つまるところ「観客がいない」ということに集約されると思う。だからトリュフォーは少年映画ファンを感傷的に描くのだ。 | [投票(1)] |
★3 | お嬢さん(1961/日) | 若尾文子の想定内の妄想内容から外れた実際の展開のおもしろさ、これは三島原作にポイント。軽妙スピーディーで、市川崑的「どや?」という衒いがない弓削演出にもポイント。そしてコメディエンヌ風の浅いキャラでどきっとする色気を見せる若尾は言うまでもなく魅力的だ。 | [投票(1)] |