[コメント] インファナル・アフェア(2002/香港)
法的な解釈で言えば善対悪の真っ向勝負!しかしお互いの人間性を正面に据えた事によって組織体組織、個人対個人という4極が織り成す緻密な構成となった。上手い所突いてくるよ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画に身近なところでは産業スパイなんかがまさにそうだよね。こう考えると産業スパイで成功するためには相手の中枢に入る頭脳が必要となるわけだ。そしてそうなると待遇が抜群に良くて何の為にスパイしてるのか意味が無くなってくる。
人間どんな所だろうが長く付き合ってれば情も移る。利害が交差する警察側、あくまでもヤンを信じて最後までかばいながら死んでいくキョン《チャップマン・トウ》などを見てしまう事でどちらが人間として正しいのか戸惑う。この映画で一番評価したいのはここだ。人間、自身が所属している所や自分で正しいと判断した組織に肩入れするととたんに相手側を単純化した人間像に描きがちだ。この監督がもし警察側、マフィア側のどちらかに傾いていたとして何も考えずに映像化するとそれは見ている方にもばれてしまう。そういう映画沢山見てきたし。
そこを意識した作り方になっているので(何が正しいのか、誰が正しいのか)最後までどう転がるかがまったく読めない。そこに緊張感が生まれ両主人公の苦悩がじわじわこちら側に伝わってくるのだ。
もし冷戦時代、これが警察、マフィアではなく両政府陣営に置かれた内部工作員の話だったら両政府が放映禁止にしただろう。それほどそれぞれの組織が均等に描かれている。組織とはそしてそこで動く個人とは何かを上手く描いた良作だ。
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