未解決の事件。何となく切り裂きジャックを思い出す・・・あぁ、あれも世紀が変わる時で、どことなくこの映画と似てるのかなぁ・・・とか思ったりもして（似てねぇよ）

未解決、と言う事で俺は犯人が絶対に違う、と言う事を確信していたんだけど、その通りに終わってくれて良かった（良かった、ってのはおかしいけど）。どこまでが事実に忠実なのかは分からないけど、時代の波に流され、翻弄されながら、そして事件の犯人に追い詰められながら焦りを隠せない刑事たちがどれだけ必死になっても捕まえられず、結局迷宮入り。ある日、あの排水溝をソン・ガンホが覗いている時に聞かされるあの台詞。近くに居て、ぬくぬくと生きているのに捕まえられない。そんなもどかしさが伝わる良いラストだった。

とにかくソン・ガンホが凄い。脳足りんの暴力刑事から少しずつ顔がしまっていって、冷静な判断を下せるようになるあのトンネルのシーンに至るまで、もの凄い演技力だ。どこか間違えたらサモ・ハン・キン・ポーになっちゃいそうだけど・・・。（この人、『シュリ』の時より随分太りましたね。役作りでしょうか？）

犯人や謎解きに焦点を当てたのではなく、刑事たちの追い詰められてゆく姿と当時の変わり行く「ごちゃ混ぜの動乱」の時代に焦点を当てている本作。当時の時代背景を知っていれば、それこそより一層深く楽しめるのだろうけど、そんなの良く分からなくても十分楽しめる作品となっているのが凄い。単純な内輪映画ではなく、サスペンスドラマとしてもかなり高いレベルにある証拠。

凄いな、ポン・ジュノ。久しぶりに２時間越えの映画で長さを全く感じなかった。

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どうでもいいけど、看板か何かに「『踊る大捜査線』より１００万倍（数字は良く覚えてない）面白い」とか書かれてたけど、ソレってちょっと酷くない？別に『踊る大捜査線』を必死に擁護するつもりは無いし、遥かに面白いけどさぁ・・・