[コメント] リオ・ロボ(1970/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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確かにホルヘ・リベロやクリストファー・ミッチャム、マイク・ヘンリーといった若手の役者達はそれぞれを見ると強さに欠けるのだが、ホークスの演出は人物と人物の関係性を見事にコントロールすることで見応えのある映画の流れを作り出している。例えば、南北戦争終結直後に北軍将校のジョン・ウェインが南軍捕虜だったホルへ・リベロ達を酒場に誘うシーンなんて呆気に取られてしまうじゃないか。このような関係性の変転はかつて映画で描かれたことがないのではないかと思えてくる。このようなある意味現実離れした展開を全く大らかにそして全く倫理的に納得させてしまうホークスの演出は矢張り奇跡的じゃないかと思えてくる。
そしていつもながらのホークス映画の女優の扱い。ジェニファー・オニールもシェリー・ランシングも演技はつなたいが「これぞホークス映画」という登場シーンと性格付け。例えばローレン・バコールやアンジー・ディッキンソンに比べればそりゃ見劣りはするのだが、本作は全体に役者に頼らない分、ホークス演出のエッセンスが垣間見える。(もう少し正確に云えばホークス+リー・ブラケット)
またウィリアム・H・クロージアの画面造型が端整で素晴らしい。特に夜間シーンの光の回り具合が野外・屋内問わず実に美しく特筆に価する。
#本作でセミヌードを披露した上にスカーフェイスとまでなる、ある意味汚れ役 と云っていゝシェリー・ランシングがこの後ハリウッドで経営者として大成功したことはご存知の方も多いだろう。コロンビアの副社長、FOXの社長、パラマウントのCEO会長を歴任している。こういう人がハワード・ホークスを経ているということが興味深い。
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