[コメント] ガメラ2 レギオン襲来(1996/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「ガメラは復活します。だって、ガメラはレギオンを許さない!」
藤谷文子のこのセリフ、怪獣映画はこうでなくてはいけない。レギオンに敗れ横たわるガメラを遠巻きに見守り祈るのは子ども達。そして空から降る光の中から復活するガメラの姿に、ぱっと表情を明るくする少女。このシーンがすごくよかった。そうだよ、だってガメラは本来そういう怪獣だったんだから。 東映がゴジラを「科学文明のあだ花」「人類に対する脅威」として誕生させたのに対し、大映はガメラをごく単純に「ちびっ子たちの友達」として誕生させたんじゃないか。
金子修介と樋口真嗣の現場組はもちろん脚本の伊藤和典もまた、物凄い熱意でこのシリーズを書いたのはわかる。しかし伊藤はコンセプトの一番最初の所で勘違いしてしまった。
曰く
「ガメラは誰の味方なんだろうな?子ども達?いや違う地球の味方なんだ」
それこそ違う!そんなグローバルなものの見方はしないでいいんだ!ガメラは「子どもたちを守るために戦う怪獣」なんだ!一番最初のボタンをかけ違えたまま、金子樋口伊藤のトリオはすさまじいエネルギーで映画をこの作った。悪意がないだけに本当に残念でならない。
一方決死の攻防を繰り広げる自衛隊。だが、レギオンはその強大な力で最終防衛ラインを突破しようとしている。もはやこれまでか?しかしそのとき司令官の無線に連絡が入る。「巨大飛行物体が音速で接近!!!ガメラです!!!」夜空の彼方から ガメラが最後の決着をつけるべくその勇姿を現した!今度こそ!がんばれガメラ!!
ガキのころの俺に観せてやったら、きっと興奮のあまり眠れないだろう。 ベタな構図だけど、それでいて基本に忠実。
これは「マニアがあれこれウンチクたれる怪獣映画」ではなく「少年が手に汗握って観る怪獣映画」なのだ。
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