親爺は実の娘の処女を突き破り快楽を得た。知らずにヤッタ事だ。百歩譲って仕方の無い過去の出来事にしよう。

さて問題はその後の身の処し方だ。彼は娘が事実を知る事を恐れ、憎むべき相手に懇願し、舌まで引き抜き哀願する。それは娘に贖罪を背負わせないが故の親としての唯一の行動だったろう。

この辺りの脚本は本当に見事で、負の連鎖が絡まりあったドラマとして一級足りえると思う。

だが私が納得できないのがラストの親爺の行動である。親爺は催眠術で自らの記憶を消し去り、再び娘＝若い女と愛欲の生活に戻っていくのである。

親爺は何故、娘の前から姿を消さなかったか？まだ若い娘に可能性のある将来を与えなかったのか？もしくは自身ではなく、娘の方の記憶（SEXしてしまったという）を消して、仕切り直して「父と娘」として再会する方法もあったんじゃないか？

親爺は卑怯だ。自らの贖罪を十字架として背負っていく道を安易に放棄した。娘と懲りずに愛欲生活を続ける道を選んだのだ。しかも何の罪の意識も感じないように記憶まで消して・・・

どーしてもこんなラストに納得がいかない。