（その１；こきおろし編）　 国に不満を持つ人望のある優秀な軍人が謀反を起こす。大都市に化学兵器。設定は「ザ・ロック」の模倣に過ぎないが、内容もお粗末。これは登場人物設定がアホ過ぎるためかと思う。ちょっと過激な思想を持つ防大生の息子が公安のプレッシャーに負けて頓死。それをあの国の優秀なテロリストにコロリと騙され謀反ですか？？思慮無さ過ぎ。それについていった何タラ学校の幹部の面々も脳味噌無さ過ぎすぎ。僕は自衛隊とは何の関係もないが、こんな人物設定は自衛隊の人達に失礼ではないかと心配になる。 　敵役も始めは威勢が良いが、途中から存在感がすっかり消えてしまう。だって、誰も言うこと聞いてくれないし。。敵役に魅力がないと映画は終わってる。それは共感であっても強い拒否感であってもよいのだが、この映画にはそれが全く無い。 　一方主役の間抜け度も筆舌に尽くしがたい。本気の相手を前に、撃つ前に考えろ！と甘っちょろいことを言う。特殊工作員のプロがそんな言葉にほだされて、あっけなく撃たれてしまう。。こんなのアリか？？？更に、主人公は腹に二発と一刺しを喰らうが、元気よく？クライマックスを演じるという不条理。しかし、彼には間抜けに相応しい素晴らしいシーンが用意されていた。それが、「手旗信号」だ！さすがにこのシーンには度肝を抜かれてしまった。 　緊迫した会議室で日本の中枢の人々が凝視する中でチマチマと白旗赤旗を動かす図が。。。これは、バラエティー番組のミニドラマにありそうな図だ！この時僕の脳裏にはタケチャンマンが浮かんでいた。。 　〆はこの映画一番の被害者と思われる方。息子を亡くし、夫が犬死にした状態でなぜあんなに平静な表情でいられるのか！！半落ちで役者魂を見せた寺尾聰と原田美枝子がこんなになってしまって。。。 　話によると、他国でも公開の予定があるとか。しかし頼それだけは勘弁し欲しい。日本映画の恥になると思う。 　ところで、他の映画の感想でも書いたことがあるのだけど、邦画の場合、制作に個人名ではなく、企業名がしかも何社も羅列されていることが多い。おそらく＝スポンサーということなのだろうが。。金も出せば当然口も出す。できあがった作品にどの程度影響を与えているのだろう？？興味がある。

（その２） 散々酷いことを書いてしまったが、自分的にはこうだったらよかったなぁと思う点を。。９０分くらいの短尺で、主人公に焦点をあてスピーディーな展開を。敵役は悪者に徹させて、ドラマは省くパターン。或いはあと１５分くらい長くして、敵役のドラマをちゃんと描く。個人的には後者が好みだけど、それだと敵が強すぎて主人公がかなわなくなりそうなので没かな？？？