ゲイの人って自分の周りにはいないんだけど、友達でいたらいいな、と思う。たぶん、女の子なら一度は思ったことがあると思う。なんでかっていうと、女心の分かる（元）男の人だから。女以上に、女らしいから。差別や偏見と闘っている人だから。「ダメな物はダメ」って言ってくれそうだから。「自分が嫌い。許せない。」を、乗り越えた人だから。自分の道を貫いている人達だから。そしていつも明るいから。まあこれは全部イメージなんだけれども。　そんな人達だから、少し尊敬もしていた。でも、沙織（柴崎コウ）がこう言い放った時、はっとした。「虫唾が走るよ！あんた達ゲイのエゴには！」　彼女は実の父親の「貫いた道」の犠牲者なのだ。父の貫いた道によって人生をめちゃくちゃにされ、母は苦労の末病死し、その看護費の借金を背負っているのだ。ゲイとして生きる人は、「強い」と言える反面、それで誰かを傷つけているかもしれない。「エゴイスト」。そうか。　私の勝手に抱いていたゲイへのイメージが崩れた。

卑弥呼（田中民）が沙織に「あなたが好きよ。」と言った。　普通の親子で「あなたが好き。」という会話はまず成り立たない。でもこの二人は親子ではない。ここでもし「あなたを愛している。」といったら嘘になるし、「エゴイスト」と罵られるだろう。卑弥呼に彼女を愛せる資格はない。でも、「人間としてあなたが好き。」というのは、死ぬ前に言いたかった。この二人が、最大限に近づけるラインはそこまでなのだ。

とゆうか、、、、とにかくオダギリジョーさんカッコイイです。まさにジョーの魅力はジェンダレス、エイジレス。じーさんだって中学生だって惚れるぜ。 「お前じゃなくて、細川さん（西島秀俊）が羨ましかった。」ってどんな殺し文句ですか。瞬殺です。あとは言うまでもないですが、柴崎コウ。かわよいです。二人のダンスシーンは観ててしあわせでした。飄々とろくでなし男の西島さんもよかった。（05/9/18 シネ・リーブル神戸）