[コメント] 隠し砦の三悪人(1958/日)
あふれる稚気とあっけらかんとした遊び心。ここから子供映画の監督に、この映画はオマージュを捧げられ続けるのだろう。
実はこの映画が語られるたびに、『スターウォーズ』でのオマージュが引き合いに出されるのがどうにも気に入らなかったのだが、ジョージ・ルーカス以外にも、この単純明快痛快丸齧り時代劇は大いに好かれているようだ。処女ゆえの精一杯の強がりと、世間知らずの正義感を持ち合わせる雪姫は、おそらくは宮崎駿のナウシカやサンのプロトタイプだろう。『クレヨンしんちゃん』の「裏切り御免!」は確信犯的パロディとしても、『戦国大合戦』にはいくつもの既視感を呼び起こすシーンが見受けられる。
この時代劇はエロスもバイオレンスも、巧妙に「それらを知りたがる年齢」レベルに引き下げられている(雪姫の太ももで見せる健康的な色気、決して血を流さない決闘シーン、等等)。それゆえのシンパシーが、子供心を持った大人の心をとらえて離さないのだろう。
小生としては、『三十郎』シリーズの斜に構えた「カワイさ」の方が好きなのだが、それはそれとして「微笑ましい」時代劇であることは間違いない。
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