[コメント] 東京物語(1953/日)
うちの爺さん家と周吉爺さん家の音
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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自分が中学生位の時正月に親戚一同が秋田の爺さん婆さんの実家に集まる年中行事があった。二十人近くが1つの家の中にいるのは賑やかで楽しかった。その正月も2日を過ぎた辺りからお父さん達の仕事の都合でみんな帰りだす。たまたま自分達が最後に帰る家族になった年があったのだが人がいなくなった家の中の時計がカチコチ鳴っているのが急に気になりだしたのを覚えている。
縁側でボーとしていた爺さんを見た時「あ、爺ちゃんの普段の生活ってこんな感じなんだ」と思えた。そういえば笠智衆って亡くなったうちの爺さんに似てるんだ。なんか飄々としていて感情の起伏がない人だった。
映画の最後の場面で親族が皆帰り周吉と紀子だけとなった会話シーンはそんな当時の想い出も重なり胸が詰まった。物語冒頭から周吉はずっと誰かと共に行動している。紀子が東京に帰り初めて周吉が1人だけになる。時計の音が聞こえた気がしたら尾道の船のエンジン音だった。
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