[コメント] ランボー 最後の戦場(2008/米=独)
全編がカッティング・イン・アクションといってもいいくらいのアクションの面白さは伝聞では到底伝えられない。中盤までは無言のスタローンの行間を読むことはできようが、ラストではただ見ることの価値のみが他のすべてを押しのけてしまう。
スタローンの眼差しは、知る者が、まだ知らぬ者に向ける、「お前には見る覚悟があるのか」という無言の問いかけである。それは狭義には戦場の悲惨さ、残虐さであろうが、希薄なドラマ性がそうした主義主張の要約を退ける。
映画は本来覚悟を持って正面から対峙して見るものであり、その期待に相応する映画から与えられる驚きには、決して慣れることはない。「戻る理由がない」とつぶやくスタローンが郷里に帰ったように、とりたてて見る理由がなくても、私たちはまた映画を見てしまうのだ。
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