[コメント] バルカン超特急(1938/英)
冒頭のホテルの上下で起きる出来事から、車内の魅力満載の右往左往を経て、クライマックスの前後の攻防へ。車輪の定則回転に合わせたかのような一定のリズムで語られる極上のサスペンス。もはやレールから降りることはできません。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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・・・というか、ここまで見ドコロだらけじゃ緩急のつけようないでしょ、というのが実際のトコロかもしれませんが。ごく稀に上映時間よりも長く感じることが欠点ではなく長所となり得る映画というものがありまして、この映画なんかその典型じゃないでしょうか。体感時間は94分を優に超えてます。94分とは思えないほど、画面も内容も豊かなのです。
列車というあくまで限定された空間を前提において、そこでできることを片っ端から、これまたアイディア満載のカメラで撮りまくってます。そのおかげで、後の映画の車内シーンはこの映画を避けて通ることが至難の業。一映画ファンとして、ほぼまるごとトレースしてみたくなった水野晴郎氏の気持ちも、少し分かる気がしました。
一人ひとりのキャラがことごとく、心を許さず適当にヤな奴なところがまた良いです。ヤな奴だからこそ、イヤイヤながらも次第に手を取り合って行く様にワクワクさせられるのです。欲を言えば、死人は出して欲しくなかったかな、というのもありますが。それにしても、仲良し英国二人組が絶妙。ごく普通の英国小市民なのに、それだけで可笑しい。そしてベッドを分け合うだけじゃなく、パジャマまでも上下で分け合ってる姿が、何とも情けなく愛らしい(笑)
(2007/1/10 再見)
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