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[コメント] ターミネーター4(2009/米)

子供向けの演出だから駄作とは呼ばないが、しかし呆れた。キャラクターがストーリーを説明する道具でしかない。我々はマシーンではなく人間だ、というベールの叫びが空しい。
shiono

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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主要キャラの登場とその会話からして恐ろしくつまらない。あれは何だ、お前は誰だ、名前は、脱出しろ、北へ向かえ。説明台詞の連呼。劇中人物が知らないはずのことを知っているくせに、重要で肝心なトピックについてはまったく話題に上らない。

ワーシントンとブラッドグッドの雨の運動場のエピソードなど、クリシェというのも気恥ずかしい陳腐な人間ドラマの羅列が続く(ここはシーン繋ぎもすごく変)。主要キャラが別行動になると他方は忘れ去られ、複数の進行を糾わせる手腕など望むべくもない。

それでも、ターミネーター=人間型機械をワーシントンの機械型人間に置き換え、抵抗軍とのリレーションシップでクライマックスを構成するその展開に最後の望みを託したのだが。

スカイネットが傷ついたワーシントンに補修を施したあげく、「お前を作った目的はね」って、観客説明もはなはだしいではないか。こうした出自に纏わるミステリは、彼が(データベースを検索するなどして)あくまで主体的に「知る」ことが重要だ。

ベールとイェルチンの、年齢が逆転した親子の邂逅も、交錯させる視線と名前の連呼でうんざりするばかり。一作目流用の終盤の戦いといい、最近作まで網羅した他映画からの引用はオマージュの域にも達していない。そのベースとなる最終戦争の世界観に、グラフィカルな面でも説話的にも真にオリジナルな創造性が感じられないからだ。

怒りさえ覚えたのはエピローグ、ワーシントンの心臓をベールに移植してホントにそれでいいの?彼をあんなに簡単に死なせて、あそこにいる面子はホントにそれで納得なわけ?こんな三流の演出では、心を通わすということのメタファーとも受け取れないよ。

(評価:★2)

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