[コメント] イングロリアス・バスターズ(2009/米=独)
(続)わたしの想像力の範囲を超えるクエスチョンなので見当もつきませんが。当事者ぶってなんか言う行為は下賤だしね。いいんですよそんな想像力は働かせなくてどうせ無駄なんだから。観てる分にはただひたすら面白いっす。興奮するわー。
それにしても1940年代に生きてなくてよかった。助かったぜ。
改めて観てこの映画、WW2終了間際の最悪の時代にも関わらず画面の派手さが魅力的であることに気づきました。
出てくる人出てくる人美男美女である上、ナチも高官ばかりなので軍服が非常に凝っていてお洒落、こういうところにお金をかける戦略とセンスの格好良さにやられます。やはりあの制服には恐怖を感じますがね、それも魅力の裏返し、正負共に影響力が絶大であった証です。
服装、コスチュームってわたしにとって大事なものなのですが、映画の中で登場人物が意を決するように正装するシーンはとても高揚します。 この映画ではショシャナがヘッド・ドレスのネットを下げる場面、他には『キック・アス』でデイモンがビッグ・ダディになるため鏡に向かってメイクする場面などなど。コスチュームを纏うことでその人物の覚悟が象徴されるのです。 強くあるためにお洋服で武装する。わたしも意志を持ってコーディネートをしたいものだなあとおもいます。
(ちなみにこのショシャナのシーンを英語で検索したら、ナチスのハーケンクロイツが写らないようにおそらく加工されている画像が主に出てきました。ガチでやばいんですよね。。。)
さてさて画面の派手さについて、ドイツ占領下のパリに駐留するSS周辺の社交界が舞台でもあるので、戦時下にも関わらずパーティーに高級ドレス、高そうな煙草などの嗜好品、コース料理にクリームたっぷりのケーキまで登場しちゃいます。『フューリー』の目玉焼きもそうですが、ああいうのはダメすぐ食べたくなる〜。
とにかく贅を尽くした豊かさが画面いっぱいに満ちています。物に溢れてる。1940年代でだよ! 日本での同じ時代を描いたものなんて、貧しい…ただひたすらに貧しい…誰も何も食べられない…画面暗い…まったくテンション上がらない…けどこっちは目に楽しい映像が続くので興が尽きません。ヨーロッパはすごいわー。
それともうひとつ溢れる魅力と豊かさ、それは欧州ならではの多言語が飛び交う世界です。俳優さん達が色んな言語を自在に操る、その姿に驚きと憧れを抱いてしまいます。おまえもおまえも、一体何カ国語しゃべるんだっと。文化の違い、あっちの人にすればそんなこと当たり前なんだけど、日米のような単一言語国家にはない込み入り様と奥深さがかっこいいのだ。こういう社会では典型的なトラブルの原因でしょうが、その言語のアクセントで物語が大きく動きますしね。
派手で豊かで痛快、殺しも笑いも多い、悪役は徹底して狡猾でありしっかり復讐もされます。『イングロリアス・バスターズ』はすごーく楽しい映画体験です ^^
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