[コメント] 渇き。(2014/日)
虚飾に虚飾を塗り重ねる不遜さは『告白』ではテーマと(図らずも?)合致してる感があったが、改めて底浅を露呈した。一種の不遜さは映画作家の要件だと思うが、空疎であることを偽る技術ではないはずで、虚飾が虚飾でしかない。この監督は映画の何かを冒涜しているように感じるのは私だけだろうか。『パコ』ほど頭にも来ないが、正味どうでもいい。キッタナイ役所さんは大好物なのに、この監督のセンスだとキライになりそう。
この監督がこの先どんな映画を撮ろうとも、虚が実を超える『カイロの紫のバラ』的な奇跡は絶対に起こり得ない。そんな確信がある。この監督の嘘は表層的で不快。不快な不快である。寺田農さんが読書論で「花も実もある嘘が読みたい」という至言を呈していたが、そのままこの監督に進呈したい。
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