[コメント] 永い言い訳(2016/日)
世間的には“好い奴(竹原ピストル)”が感情に素直であるように、人として“嫌な奴(本木雅弘)”もまた自意識に正直な男なのだ。グズグズと、懐疑的で、自信がなく、空威張りで、攻撃的であることで自分の弱さを誤魔化すこの“嫌な奴”が、私は好きだ。
守られるべき存在である子供たちを援助することで(もちろん下心など毛頭ないが)自尊心を保ち、その疑似ファミリーに割って入る(世の中的には)善意の女(山田真歩)の存在に苛立ち本性を露呈する。
まるで自分を見ているようだ。途中から、この物語の結末などどうでもよくなってきた。最後に、この“嫌な奴”が変わろうが、変わるまいが、私には重要ことではない。
死者はいつだって、残された者を丸裸にしてして“自分の嫌さ”を突きつける。だから、それぞれが、それぞれの様相で、もがくしかないのだ。
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