[コメント] 幼な子われらに生まれ(2017/日)
遊園地の入場門前のアスファルト。パステル調の色彩が綺麗だ。横移動して、靴紐を結ぶ男の足。ティルトアップすると浅野忠信。娘・沙織と二人で遊園地で遊ぶ。浅野の家は、斜行エレベータのあるマンション。調べると、このマンションは西宮名塩でのロケとのこと。
妻・田中麗奈の妊娠が分かり、連れ子、長女の薫・南沙良が本当のお父さんに会いたいと言い出す。この顛末が、一本メインのプロットとして確固としているので、求心力のある映画になっている。周辺のエピソード、別れた妻・寺島しのぶと実子の沙織・鎌田らい樹との関係や、田中麗奈の先の亭主・宮藤官九郎の風采も上手く描かれている。結局、子供達の成長以上に、「理由ばっかり聞いて、気持ちは聞かない」浅野忠信の、明確な成長譚として落ち着くのも気持ちがいいのだ。
ただし、浅野が寺島と言い争う一連のフラッシュバックや、田中麗奈側の回想で出て来る、宮藤のDVシーン含めて、やはり、フラッシュバックはいまいち。
#エンドクレジットを見ると、けっこう西宮や神戸でロケされていると分かる。それを、しゃあしゃあと、関東の風景にしてしまう(生活圏内として新宿西口、新木場、府中のデパートと云った地名が科白で出る)、というのは、どのような了見なのだろう。製作側もロケ地(誘致?)側もだ。このような例はよくある、と言えばそうなのだが、例えば、荒井の脚本段階では指定されていたのだろうか?多分、そんなことはないと思われるので、どういう成り行きでロケ地が決まったのか不思議というか、面白いと思えるのだ。監督が関西人なので、もともと目を付けていたのだろうか。
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