[コメント] 万引き家族(2018/日)
他人様からかすめる事で何とか小さな幸せを手にしようとする人々。☆4.7点。
それが罪なのは解っている。しかし、かすめ取る相手を見ると、自分がそれをして何が悪いんだ?と言いたくなる、という叫び。様々なモチーフはあれど「万引き」というテーマで通底していたと思うので、題名は非常に適っていたと思う。(ただ日本語にしたダサさから、カンヌ最高賞を穫らなければ客入りは少なかっただろうなぁ)
兎も角、結果として安藤サクラの映画だった。名優対決、或いは女優対決等とも言われたが、松岡茉優は私が以前から推している俳優ではあるものの、寧ろこの映画では不安材料だったと思う。(その辺りの不安定感があの家族の中での立ち位置と重なる辺りはやはり見事な配役だ) 安藤が居なければリリー・フランキーもただのどうしようもないオッサンに成り下がる危険があった。
比較的善人が多い登場人物の中で、柄本 明と樹木希林の2人は単純でない雰囲気を纏っており、その辺りも見事だと思った。こうの史代の作品に於ける老母や姑の様だ。高良健吾・池脇千鶴 ペアが本来の実力を下回っており、残念でならない。
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