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[コメント] 鴛鴦歌合戦(1939/日)

この当時市川春代が26歳だったということが未だに信じられない。
田原木

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ミュージカル映画にありがちな「不自然さ」や「イタさ」は微塵もない。 69分という短さが生むテンポの良さもこの作品を現代に至るまで名作と呼ばせる一つの理由となっている。

出演者では市川春代志村喬が素晴らしい。 まず市川春代の26歳とは思えないかわいらしい仕草や表情に心を鷲掴みにされてしまう。 また志村喬のひょうきんさはそれだけでも良い味を出しているが、娘を思い堂々と胸を張って殿様の使者に立ち向かうシーンでのカッコよさを引き立てている。まぁ、結局そのカッコよさもお笑いに転じるのだが。歌も上手い。

ディックミネの上手とは言えない演技もこの映画の中にあっては笑いの一要素となる。「呑気な殿様」の雰囲気がよく出ていたように思う。

さらに脚本も素晴らしい。韻文的な台詞回しや痛快さ、見ている者を唸らせる粋なシーンの数々に強い鳴滝組の匂いを感じた。

あえて苦言を呈するなら片岡千恵蔵。周りがお洒落な人ばかりだからか、野暮さが際立つ。最後のチャンバラシーンは千恵蔵のためだけのものであって少々退屈。

(評価:★5)

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