ＶＦＸでのゴジラのシーンをもっと観たい気もするが、案外、本作くらいの見せ方がちょうど良いのかもしれない。あまり長く観ているとあらや作り物っぽさが気になりだす。

むしろこれくらいの長さ、それも伊福部昭の音楽の長さに合わせたようなシーンの長さで、ぐっと引き締まった感じがする。

ゴジラのシーンに比べて、人間ドラマの方がちょっと長くてだるい気がする。ゴジラのシーンはそのままで、ドラマ部分をもっと短くした方が良かったのではないかと思わなくもない。

ただ、特撮シーンが良いものほど、人間ドラマがくさい、というのが昔ながらの怪獣特撮映画の定番みたいなもんだから、その流れをも継承していると思えば、まあ、いいかと。

本作は７０周年記念作品ということらしいが、第１作目へのオマージュがそこら中に感じられるし、何より圧倒的な力で人間を蹂躙するゴジラこそ、正統派だと改めて感じた。