[コメント] 火垂るの墓(1988/日)
アニメーションで敢えて撮ることによって、主人公たちの純粋さは昇華され、その非社会性は美化され、美しさは神話となってこうした映画が好きな観客の魂に宿る。これこそアニメーションのもたらす最大の弊害であり、高畑勲に「貴方は何をアニメーションで撮りたいのか」を問いつめたくなる要因である。
この作品の併映が『となりのトトロ』でよかった。この「現実のなかに何かを見出すために現実を見つめさせる映画」によって「現実の悲惨さから目を背けさせる映画」に感じた怒りを鎮めさせてもらったのだから。
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