[コメント] レナードの朝(1990/米)
孤独な神は、それゆえに残酷な善意を創造物に施す。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ここにいる孤独な神はウィリアムズである。彼は対等なものを愛せない孤独さゆえに、自分の下位に属する被造物にイカロスの翼を与えてやる。それがどんな結果を生むか考えもせずに…。デニーロはウイリアムズの与えた翼で空高く羽ばたく。驚きを、喜びを、愛情を知る。だが、ウイリアムズの与えた翼は完全ではなく、彼の翼は一枚、また一枚ともげてゆき、失速して墜落する。デニーロが不幸だったかは誰にも判らない。だが、ウィリアムズの行動は対等な人間に対する友情のあらわれではなかった。善意から出たものにしろ、そこにこの物語の悲劇性がある。現実の医師の行動は尊いものであるのだろう。だが、この映画を観るかぎり観終えたときの思いは重くのしかかる。
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