[コメント] ゴジラ2000・ミレニアム(1999/日)
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数年の雌伏期間を経たゴジラ。その間に金子修介監督による『ガメラ』があり、ハリウッドでは『godzilla』が作られた。それに何とか対抗しようと復活させたのは分かる。事実として東宝がネーム・ヴァリューだけで売るにはどうしてもゴジラ復活は必要だったのだ。
だが、このゴジラの出来はどうだ?センスのまるでないネーミング。起伏のないストーリー、くだらないヒューマン・ドラマ、ばかげた設定。いやはや。良くもここまでの作品を作ったもんだ。
前作『ゴジラVSデストロイア』で爆死したはずのゴジラ(復活を匂わせていたが)とは設定自体が違っているようで(数年で関東一円があんなに復旧するはずはない)、ゴジラもジュニアではなく本物のようだ。だからと言うわけでも無かろうが、ゴジラはあくまで破壊神として存在する。そしてそれを上回る力を持った新しい怪獣をだし、「毒を以て毒を制す」という具合に話を持っていく。平成ゴジラ以降の定番ストーリーが今回も展開される。それはもう見たっつーの。更にIT時代に強引に合わせようとコンピュータを多用しているが、それも殆ど意味無し。6500万年前から存在した宇宙人が作ろうとしたのが千年王国。ずいぶんとスケールが小さいな。それにしてもあのタコ型宇宙人はあんまりだ。
でも本作を全く駄目にしているのは人間の方だろう。カメラを向けられ、突然わめき出す群衆(カメラワークに問題あるぞ)。笑いながら逃げる人間の群れは今回も健在。更にゴジラやミレニアムの方にのんびり歩いている人間がいるのも凄い。(知り合いがここでエキストラに出たそうだから、あんまり悪く言いたくないんだけど)
ただ、造形だけは結構凄い。巨大な背鰭を持つゴジラの勇姿は流石時代の進歩を感じるし、その背鰭が真っ赤に(!)焼けるのは格好良い。
だけど、作品としてはクズ。心底劇場で観なくて良かったと思う。
「ゴジラは、俺たちの中にいるんだ」とどめを刺された。これほど脱力、且つ呆れた言葉は無かった。ゴジラ映画屈指のクソ台詞!
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