[コメント] 独立愚連隊西へ(1960/日)
フランキーの八路軍将校が泣かせる。敵にも好人物がおり、味方にも唾棄すべき俗物がいる。だからそこにドラマが生まれる。この当然の事実は同じ土を踏んだ兵隊同士にしか判らない。…それゆえ、戦争をシリアスにしか描けない臆病な日本映画界において、喜八は戦争喜劇の第一人者として記憶されてしまった。
天本英世は好戦映画には決して出ない、という矜持を貫いていたという。その彼の喜八組の一員だからという理由から、とだけとは思われぬキレまくった演技が見られるのも、喜八が全幅の信頼を得ていたからだろう。戦闘行為はカッコよくもなればみじめにもなる。戦意を煽ることもあればナンセンスの極みと笑い飛ばすこともできる。そんな大人の戦争映画観を、日本も取り戻して欲しいものである。
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