[コメント] あの子を探して(1999/中国)
ひょっとするとアメリカン・ドリームなのか?
貧しい国(地域)では何かを「探している」映画が多いような印象がある。『友だちのうちはどこ?』ではタイトル通り、『運動靴と赤い金魚』ではストレートに職探し(庭師を求めている家を探す)をしている。
実際の所はそんなことはないのかもしれないが、いかに我々(日本やアメリカなど)が飽食の(精神的にはともかく少なくとも物質的には)満たされた国に暮らしているのだなあ、とあらためて感じるのだ。
つまり、それほど「探す」行為が印象に残るのは、やはり貧しい国情が背景にあり、それが主人公達の「幸せ探し」に直結するが故、我々の胸に迫り、海外の映画賞でアジア映画がウケる所以かもしれない。
この映画の貧しい人々はその風土の様にカラッとしている。イタリアネオリアリズムのような昭和枯れススキ的なジメジメした感じは見受けられず、貧しい環境をクドクドしく嘆くこともない。ただひたすら実直に生きている。
もちろんそれはお金のためであり、食うためであり、生活していくためである。清貧などというには満たされた国の美談でしかなく、本当に腹が減れば屋台に忍び込んで客の食べ残しをかっ食らったりするのだ。その素直さ、必死さがこの映画の総てを支えており、観る側もハッピーエンドを素直に受け入れられるのだ。(もちろん子供達のキャラクターもあるが)
私財を投げうって畑に野球場を作って、幽霊だか亡霊だかの父とキャッチボールしたり、名選手達が集まってきて、全国から客が集まってヨカッタヨカッタなんていう、どこぞの道楽者『フィールド・オブ・なんちゃら』なんて能天気映画とは雲泥の差である。
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