[コメント] 禁断の惑星(1956/米)
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そう、「井戸の怪物」貞子である。
…すまん。
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これには正直ビックリした。1956年と言えば、ハリウッドではまだ原子怪獣とかの見た目から作り物としか思えない化け物が闊歩し続けていた時代だ(決して嫌いなわけではないが)。『スター・ウォーズ』に遡る事20年、『猿の惑星』からしても10年以上も前。そんな時代にこれ程完成されたSF映画がハリウッドで作られていたとは。
確かにSFXと言うにはお粗末な部分はあるけど、アニメーション合成など、当時の技術でここまで出来たのか。と目を見張らせるし、その見せ方も巧い。アイディアだって、現代に決して劣っていない(小説だってSFが人間の精神世界まで入ってきたのはいくつかの例外はあるけど、70年代になってからだ)。それに魅力的なキャラクター達。ロビーという素晴らしいロボットの存在。もう脱帽もの、と言うより、これ程素晴らしい作品をこの時代に作る事が出来たハリウッドの力というものにほとほと感服する。確かに金をかけた割りに当時は受けなかったそうだけど、この作品はあまりにも早すぎたのだ。この作品を受けいれるまでに時代の方が遅れすぎていた。結局受けいれられたのは劇中の万能ロボット“ロビー”だけだった(ロビーのブリキのおもちゃは日本にもあり、マニア垂涎の的だそうだ)。
物語は後年のテレビシリーズ『スター・トレック』の先取りと言った感じで、内容やアイディアなど、むしろTV作品に与えた影響の方が大きかった事を窺わせる。この時代に精神世界の話を出してしまうと言うのは卓越した脚本だったぞ。
それにしても勿体ない。この時代にこれだけの作品を作っておきながら、本格的な宇宙もののSFが作られるまで、10年を要したというのが…実に勿体ない。仮にこれが受けいれられていたら、ハリウッドの映画はもっと早く進歩を遂げていただろうに。
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