[コメント] タイム・マシン 80万年後の世界へ(1960/米)
人類は今まで、一人の人間が生きてきた証を、時を超えてつなぐための'発明'を、いくつも繰り返してきた。「言語」「絵画」「音楽」「文字」「印刷」「録音」「写真撮影」・・・そして「映像」。そのおかげで私たちも、「ここ」に居ながらにして「別の時代」に行く事が出来る。
19世紀末のウェルズにとって、文明を伝える最先端の手段が「本」だったのだと言う事がわかる。たった三冊の本は、人類の未来の「無限大」の可能性だ。
とにかく今まで自分が目にしたどの「タイムマシン」よりも素晴らしかった点は、あのデザインは言うに及ばず、システムがオープンで、時の変化がダイレクトに体験出来る所。監督とスタッフの「映像」と言うものに対する信頼を感じる。天窓の中を早送りで流れて行く雲を眺めながら、未来に向かってゆきたい。
DVD特典の、32年後(1992年?)に作られたドキュメンタリーがとても素敵だった。本編への溢れる愛に満ちた逸品。「CGなんかじゃないんだ」と吐き捨てる、誇り高いかつての特撮スタッフ老(あのリンゴが絵だなんて!?)。涙と流浪のマシン復刻運動。万感胸に迫る小さな「続編」。しっかりと一つの「タイムトラベル」を体験させてもらいました。
時は移る。年を取る。哀しい事もあるけれど、やはりそれは素晴らしい事だと感じる。
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