[コメント] グリーン・デスティニー(2000/米=中国)
これが東洋人の底力だ。恐れ入れ。
映画としての手法は明らかに西洋的。中世騎士物を思わせる。しかし、その世界表現のために自然までも改変してしまう西洋的アプローチ(ロードオブザリングがその最たる例)に対して、あくまでも自然の中に映画が溶け込んで行くところがいかにも東洋的なのだ。それは、西洋人が苦心惨憺して作った人造の心象風景が、中国では普通の風景なんですよと言わんばかり。
そして、女性同士の格闘がこれほどまでに魅力的だとは。生身の人間が演ずる様式美、それはバレエにも通ずる美しさだ。ワイヤーアクションも当然その様式美のコンテキストで鑑賞しなければならない。
ドラマのできも全然悪くない。魅力的な出演者。ゆったりとした足取りで、大きさとロマンを感じさせる進行。最後のベタっとした情感は、ヨーヨーマのチェロとぴったりとシンクロする。同じ東洋人として、じっくりと味わい尽くそう。
そして再度言う、恐れ入ったか。久々に映画らしい映画を見た気分だ。
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