子どもの頃、テレビで見ていた洋画劇場。

必殺の早撃ちで敵を倒したシェーンが振り返りもせず去っていくラストシーン。

「来るぞ、来るぞ、あの　シェーン、カムバァァーック！！　が初めて聞けるぞ！」

幼き私の小さな胸は、伝説のあのシーンがみられるという大きな期待ではちきれんばかりだった。

いよいよ、ワイオミングの山が現れた。

さぁ、ここだ、ここでついに「シェーン、カムバァァーック！！」だ！

私の心は最高潮！そして、ついに少年は叫んだ！

「シェェェェェェェーーーーーン！」

おおおおおおぅ！でたぁぁぁぁぁ！

「シェェェェェェェーーーーーン！　行かないでぇぇぇぇぇぇっ！」

…………

………

……

…

・・・・・・・・・えっ？・・・・・・何？・・・・・・今何て言った？

「行かないで」？ってオイオイ！ちょっと待ってよ！

僕が聞きたかった「カムバァァーック！！」はどこに行ったの？

そんな子どもでも知っている名セリフまでわざわざ吹き替えなくてもいいのに…。

って、そんなふうに思ったのは僕だけ？