友達がいないわけではない。テンションの低い静かな女性。貧乏でもなく裕福でもなく、東京の暮らしをしている。なんとなくと言ったら失礼かもしれないが、静かにマイペースに生きてる女性。彼女から「欲」というものは感じられない。ただ一度、泣きながら「彼女と別れてよ」とせがんだ時だけ見えた気がするが、その時だけかもしれない。。波乱万丈な生き方をするひとではない、マイペースに何も考えていないようにさえ取れるほど、静かに生きる。まさに、そんな彼女が主人公な静かな映画。

　人に対して感情を表すのが苦手というか、諦めているというか、関心がないというか、とにかく感情の起伏が少ない。マイペースな人。そんな人はよくいると思う。でも、そんな彼女なりの感情の起伏はしっかり感じられた。「一年間だけ付き合ってよ」って言い方もそんな彼女らしいし、ソファーに座っている彼にする甘え方にも、そんな彼女の不慣れな感じが伝わってきて可愛かった。

　いつまでも昔の彼女に未練を抱いていた彼。彼女はもう先に進もうとしている。「恋愛を積んでいく」ってこと。。。

　品のある東京だった。どこかパリのような（イメージです）感じがした。きれいに東京を映していたと思う。映画やドラマで見るとどこか胡散臭い、ニセモノっぽく映る東京が、この作品にはなかった。ＣＭも面白かったし、それを見て元気を取り戻していく彼女も良かった。普通に良かった作品です。。