[コメント] A.I.(2001/米)
“テディ”の愛が報われないのなら、デイビッドの愛は、所詮プログラムされた機能に過ぎないと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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デイビッドがインプットされた愛する感情。それは、モニカへの無条件の愛情だった。でも、それは、所詮ロボットの愛だと思う。インプットされた相手しか愛せない、そんな愛情がこんなにまで大切にされなければならないのだろうか。こんなに問題にする必要があるのだろうか。2000年の時を経て実現される程のものなのだろうか?
とにかく前半は、観ているのがつらかった。息苦しいとさえ思った。観るのを止めようかと思った。ジョーの登場あたりから、やっと落ち着いて観られるようになった。でもどうしてもデイビッドに感情移入はできない。人間の嫌な部分を見せつけられても、ロボットたちに肩入れする気になれなかったのだ。
愛することができる最初の機械は、“テディ”だと思う。テディの無条件の愛、献身的な姿こそ、デイビッドが受け止めなければならない本当の愛だと思った。それに応えることができないデイビッドの愛なんて、所詮プログラムされた機能に過ぎない。
テディは、最後まで報われなかったのだ。デイビッドと愛を分かち合うことができなかった。
身近にいて常に自分のことを思い、いつも見守ってくれている本当の親愛なるものを、もっと大切に扱って欲しい。そのことの方が、私にとっては、みんなに、そして自分の子どもに伝えたい大切なメッセージなのだ。
私の描く『A.I.』のラストシーンは、美しい光の中で“テディ”を抱き上げて微笑むデイビッドの姿だ。
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