[コメント] じゃりン子チエ(1981/日)
見てくれの悪いユートピア…親失格の両親のせいでチエは哀しみを押し殺しながら強く育ったが、彼女が歪まなかったのは、親失格の両親が人間としては合格だったからだ。いや、彼女を取り巻く全ての大人達が、全員、ぎりぎりで人間合格だったからだ。
理不尽な死も残酷な暴力も当たり前のように転がっている。なのに、そこには、今の日本を覆っているような陰湿さが欠片も見えない。
社会が憎しみの悪循環に飲まれないようにするには、どうしたらいいか? どちらかが受け止め、耐えて、飲み込んでしまうしかない。それを、コテツが身を挺して教えてくれる。
全世界60億人に捧げたいのは『アルマゲドン』ではなく、この映画。このユートピアなら、実現が100%不可能ってわけじゃないのだから。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (9 人) | [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。